共働き夫婦の生命保険、必要保障額はどう判断すべき?──迷いやすい理由から整理する

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「保険、足りてるのかな。でも、どう確かめればいいのかわからない」

共働き夫婦のお金の相談で、もっとも多く出てくる言葉のひとつです。世帯収入があるから大丈夫な気もする。でも万が一を考えると、今の保障額で本当にいいのか、判断がつかない。この記事では、その「判断がつかない」状態がなぜ起きるのかを整理し、必要保障額を考えるための軸と順番を明確にします。

なぜこの判断は迷いやすいのか

共働き夫婦が生命保険の必要保障額を決めるとき、よく起きるのは「なんとなく入ってきた」という状態です。職場での加入案内、外交員からの提案、周囲に合わせた選択。どれも間違いではないけれど、「何に・いくら備えるか」という判断の軸がないまま保険料だけが積み上がっていきます。

その結果として起きやすいのが、次の状態です。

保障が多いほど安心だという感覚から、月々の保険料が家計を圧迫している。しかし「減らして大丈夫か」の根拠がないため、なんとなく継続している。共働きだから片方の収入がなくなっても大丈夫、という根拠のない安心感と、でも何かあったらという不安が同時に存在している。

この記事で整理するのは、「今の保険が適切かどうか」を判断するための構造です。正解の金額を出すことではなく、どの順番で何を確認すれば判断できる状態になるか、を扱います。

よくある前提のズレ

必要保障額の判断が止まる背景には、いくつかの前提のズレがあります。

ひとつ目は、「共働きだから保障は少なくていい」という前提です。たしかに二人分の収入がある間は家計の耐性は高いですが、片方の収入が止まったときの家計への影響は世帯によって大きく異なります。住宅ローンの残高、子どもの年齢と教育費のタイミング、もう一方の収入だけでカバーできるかどうか。これらを確認せずに「共働きだから大丈夫」と結論づけるのは、判断ではなく省略です。

ふたつ目は、「保険は多いほど安心」という前提です。保険は「足りない部分を補う」ための手段であり、すでに資産がある部分や公的保障でカバーできる部分まで重ねると、必要以上のコストになります。

三つ目は、「必要保障額は一度決めれば変わらない」という前提です。子どもの成長、ローンの残高の変化、貯蓄の増減によって、必要な保障の量は変わります。判断は一回ではなく、ライフステージに応じて更新するものです。

この判断で整理すべき3つの軸

現時点での家計の状態を把握する

まず必要なのは、「今の自分たちの家計がどこにあるか」を一枚の表に整理することです。預貯金・投資などの金融資産、住宅ローンなどの負債、解約返戻金が発生している保険があればその金額、これらを並べます。

この作業で見えてくるのは、「万が一のとき、今すでに自分たちで守れる部分がどのくらいあるか」という現在地です。不安は情報の不足から来ることが多く、数字を並べるだけで「思ったより手元にある」「思ったより負債が重い」という実感が変わります。

ライフプランと必要なお金の流れを時系列で整理する

次に確認するのは、これから先のお金の動きです。子どもの進学のタイミング、住宅ローンの返済期間、車の買い替えや教育費のピーク、老後の生活費の見立て。これらを年単位で書き出すと、家計の「山と谷」が見えてきます。

特に重要なのは、教育費と住宅ローンが重なる時期です。この時期に片方の収入が止まったとき、もう一方の収入と現在の貯蓄で対応できるかどうかが、保障の厚みを決める核心になります。

公的保障で補われる部分と、足りない部分を切り分ける

生命保険の必要保障額を考えるうえで、多くの人が見落としているのが遺族年金です。会社員・公務員の場合、遺族厚生年金が一定額支給されます。この金額はねんきん定期便や年金事務所で確認できます。

必要保障額の核は「足りない部分だけ」です。万が一のときの生活費の見立てから、遺族年金・預貯金・もう一方の収入でカバーできる金額を引いた差額が、保険で備えるべき金額の目安になります。

判断の順番

最初に確認するのは「現在の家計のスタートライン」です。資産と負債を一枚に並べ、万が一のときの現在地を把握します。

次に考えるのは「どの時期に・どのくらいのお金が必要か」です。ライフプランを年単位で書き出し、教育費・住宅ローン・老後資金の山と谷を確認します。

その上で確認するのが「公的保障・貯蓄で補える部分はどこまでか」です。遺族年金の概算、もう一方の収入でカバーできる期間と金額を整理します。

最後に判断するのが「足りない部分の時期と金額」です。この差額が、保険で備えるべき必要保障額の実体になります。なお、子どもが独立した後はその分の保障は不要になるため、定期保険で時期ごとに調整する方法が合理的です。

一点、立ち止まっていい場所があります。ライフプランの数字が曖昧なまま必要保障額を計算しようとすると、判断ではなく推測になります。まずは「大まかな数字でいい」と割り切り、精度を求めすぎないことが判断を前に進めるコツです。

この型が使える場面・使えない場面

有効なケースは、子どもが小学生以下でこれから教育費がかかる世帯、住宅ローンの残高が大きい30〜40代の共働き夫婦、今ある保険が適切かどうかを一度整理したい人、です。

注意が必要なケースは、自営業・フリーランスの場合です。会社員とは遺族年金の水準が異なるため、公的保障の前提が変わります。また、すでに大きな金融資産がある場合は、保険よりも資産運用との組み合わせで考える必要があります。

自分で判断するために

必要保障額は、正解の数字を当てるゲームではありません。判断の軸は「今の資産と負債」「ライフプランのお金の流れ」「公的保障で補える部分」の3つです。この順番で確認を進めると、「何のためにいくら備えるか」が具体的になります。

今日できる一歩は、預貯金・ローン残高・今ある保険の保障額と目的を、一枚の紙に並べてみることです。書き出した数字を見るだけで、判断の現在地が変わります。


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