「やり方は知っている」のに家計が変わらない理由──現状維持という心のブレーキを外す

意志の強さは関係ない

「三日坊主で終わってしまう」「重い腰が上がらない」 家計管理や将来の備えにおいて、私たちはつい自分を責めてしまいがちです。しかし、心理学の視点から見れば、動けないのは意志が弱いからではなく、脳が正常に機能している証拠でもあります。

私もかつて、やり方はわかっているのに体が動かない自分に絶望していた時期がありました。その時の「なぜ動けないのか」という自己矛盾を深く掘り下げた記録が、こちらのnoteです。

[noteへのリンク:やり方は分かってる」と言いながら、何も変えない自分の正体

この記事で綴った「変われない自分の正体」とは、私たちが本能的に持っている「現状維持バイアス」と、判断に伴う「損失回避」の心理でした。

知識(やり方)を詰め込むほど、「もし失敗したら」「今の生活が壊れたら」という不安が大きくなり、結果として「今のままでいい」という強力なブレーキがかかってしまうのです。

「動けない自分」の3つのタイプ

今のあなたがどの状態で止まっているのか、まずは客観的に眺めてみましょう。

タイプ1:正解探し症 hollow 情報を集めすぎて、どれが最適解か分からず立ち尽くしている状態。「損をしたくない」という気持ちが判断を鈍らせています。

タイプ2:エネルギー切れ fatigue 日々の仕事や家事でエネルギーを使い果たし、新しい「判断」を下すための余力が残っていない状態。

タイプ3:変化への恐怖 fear 今の家計の状態が「不満」ではあっても「不慣れ」ではないため、未知の改善策よりも、慣れ親しんだ苦しさを選んでしまっている状態。

判断の入口:まず「眺める」だけでいい

家計を変えようとする時、いきなり「行動(節約や投資)」を変えようとするから、腰が重くなるのです。

判断OSの「眺める位置」においては、無理に動こうとする必要はありません。 「ああ、自分は今、変化を怖がっているんだな」「情報を入れすぎて疲れているんだな」と、自分の状態を認めること自体が、ブレーキを外すための最初の一歩になります。

「やり方はわかっている」という呪縛を解き、今の立ち位置を正しく認識することが、結果として最も早く「動ける自分」へと繋がります。

ここから先へ進むために

自分の状態が見えてきたら、次は「何を変えないか」の境界線を引くステップへと進みます。

しかし、焦ってすぐに何かを変えようとする必要はありません。まずは今日、自分がどのパターン(正解探し、エネルギー切れ、変化への恐怖)に当てはまっているのかを、数日間そっと眺めてみてください。

「自分は怠慢ではなく、脳のブレーキがかかっているだけだ」と認識するだけで、次に引くべき「線の太さ」が変わってきます。

具体的な「線の引き方(家計の守り方)」については、後日公開する予定です。

この「判断OS」の現行バージョンでは、まず今の自分を客観視し、言葉にできない重荷を下ろすことから始めています。