「いつも話し合いが空回りする」を終わらせる、会話のルール

夫婦でお金のことを話そうとすると、なぜかいつも空回りしてしまう。そんな経験はありませんか?

「将来のために貯金しようよ」と切り出すと、「今を楽しむことも大事でしょ」と返されて、結局ケンカになってしまう。あるいは、お互いに黙り込んで、何も決まらないまま時間だけが過ぎていく。

前回の「眺める位置」の記事では、危機感のズレを「認める」ことの大切さをお伝えしました。今日は、そのズレを認めた上で、「じゃあ、どうやって話し合えばいいの?」という具体的な会話のルールについてお話しします。

この記事が目指す未来の安心は、「話し合いが怖くなくなる」こと。そして、二人だけの会話の型ができることです。

なぜ話し合いが空回りするのか

お金の話が噛み合わない理由の多くは、「ルールがないまま話している」ことにあります。

たとえば、あなたは「将来の不安を解消したい」という気持ちで話しているのに、相手は「責められている」と感じている。あるいは、相手は「今の生活を守りたい」と思っているのに、あなたは「私の気持ちを分かってくれない」と感じている。

同じテーブルに座っていても、目指しているゴールが違うと、会話はすれ違います。サッカーとバスケを同時にやっているようなものです。

だからこそ、話し合いを始める前に「今日は何のために話すのか」「どんなふうに話すのか」というルールを共有する必要があるのです。

会話のルールを決めるって、どういうこと?

会話のルールとは、「こういう話し方はしない」「こういう順番で話す」といった、二人だけの約束事です。

大げさに聞こえるかもしれませんが、実はとてもシンプルなものです。たとえば、次のようなルールがあります。

「相手を責める言葉は使わない」 「まずは相手の話を最後まで聞く」 「今日は決定しなくてもいい、話すだけでOK」 「お金の話をする時間は30分まで」

こうしたルールを事前に決めておくと、話し合いの最中に「あれ、なんか雰囲気が悪いな」と思ったときに、「ちょっと待って、今のは責める言い方だったかも」と立ち止まることができます。

ルールは、二人を守る柵のようなものです。その中でなら、安全に本音を言い合えるようになります。

具体的な会話のルール、5つの提案

ここでは、実際に使える会話のルールを5つ紹介します。すべてを取り入れる必要はありません。二人が「これなら守れそう」と思うものから始めてみてください。

ひとつ目は、「相手を主語にしない」というルールです。

「あなたはいつも無駄遣いばかりする」ではなく、「私は、毎月の支出が気になってる」と言い換えます。主語を「私」にすることで、相手を責める響きが消えて、自分の気持ちを伝える形になります。

ふたつ目は、「過去を持ち出さない」というルールです。

「先月もそうだったじゃん」「去年も同じこと言ったよね」という言葉は、話を前に進めません。今、どうしたいかに集中することが大事です。

みっつ目は、「まずは聞く時間を作る」というルールです。

自分が話したいことがあっても、まずは相手に5分間、何も遮らずに話してもらう。その後、自分が5分話す。順番を決めることで、お互いが話せる安心感が生まれます。

よっつ目は、「その場で結論を出さない」というルールです。

「今日は話すだけ。決めるのは来週」と最初に約束しておくと、気持ちが楽になります。決定を急がないことで、冷静に考える余裕が生まれます。

いつつ目は、「感謝を伝えてから始める」というルールです。

「時間を作ってくれてありがとう」「一緒に考えてくれて嬉しい」。この一言があるだけで、場の空気が柔らかくなります。

NGワードを「言い換え」で乗り越える

会話のルールを決めても、つい言ってしまう言葉があります。それがNGワードです。

NGワードとは、相手を傷つけたり、話し合いを止めてしまったりする言葉のこと。たとえば、「いつも」「絶対」「普通は」といった言葉です。

「いつも無駄遣いする」→「今月、ちょっと使いすぎたかなと思ってる」 「絶対に貯金すべき」→「貯金できたら安心できるんだけど、どう思う?」 「普通はこうするでしょ」→「私はこうしたいんだけど、あなたの考えも聞かせて」

このように言い換えるだけで、相手の反応が変わります。言い換えは、相手への配慮であり、自分の気持ちを正確に伝えるための工夫でもあります。

タイミングを選ぶことも、ルールのひとつ

どんなに良い話し方をしても、タイミングが悪ければ話し合いは失敗します。

「疲れて帰ってきた直後」「お腹が空いているとき」「ケンカした直後」。こうしたタイミングでお金の話を始めると、どうしても冷静さを欠いてしまいます。

逆に、おすすめのタイミングは次のようなときです。

「週末の朝、二人ともゆっくりしているとき」 「夕食後、片付けが終わって落ち着いたとき」 「月に一度、カレンダーに予定を入れておく」

タイミングを決めておくと、「急に話を振られた」という焦りがなくなります。心の準備ができるので、冷静に話し合えるようになります。

ルールは、一度決めたら終わりじゃない

会話のルールは、一度決めたら永遠に守り続けるものではありません。

最初は「30分以内」と決めていても、慣れてくれば「今日はもう少し話そうか」となるかもしれません。「まずは聞く」というルールも、回数を重ねるうちに自然とできるようになって、意識しなくてよくなるかもしれません。

大事なのは、「今の二人に合っているか」を定期的に確認することです。ルールに縛られすぎず、二人が心地よく話せる形を探していくことが、会話を続けるコツです。

会話のルールが、未来の安心を作る

ルールがあると、話し合いが「怖いもの」から「安全なもの」に変わります。

「今日はこのルールで話すから大丈夫」という安心感があれば、少しずつ本音を言えるようになります。そして、本音を言い合えるようになると、お互いの本当の気持ちが分かってきます。

会話のルールは、二人の未来を守る土台です。その土台がしっかりしていれば、どんな話題でも、少しずつ前に進めるようになります。

今日からできる、小さな一歩

まずは、「うちの会話のルール、作ってみない?」と相手に提案してみてください。

紙に、二人が「これなら守れそう」と思うルールを3つだけ書き出してみる。最初から完璧を目指す必要はありません。「とりあえず今月はこれで試してみよう」くらいの軽い気持ちで十分です。

そして、一度話し合いをしてみた後、「今日のルール、どうだった?」と振り返る時間を作ってみてください。その繰り返しが、二人だけの会話の型を作っていきます。

会話のヒント集で、さらに安心を

ここまで読んで、「もっと具体的な言い換え例が知りたい」「NGワードをもっと学びたい」と思った方へ。

私たちは、夫婦でお金の話をする前に読んでほしい、会話のヒント集をPDFにまとめています。このPDFには、セルフチェックリスト、NGワードの言い換え例、タイミングの選び方など、すぐに使える実践的な内容が詰まっています。

「このPDFがあれば、今すぐ安全に話し合いを始められる」という安心感を、ぜひ手に入れてください。お金の話を、ケンカの火種ではなく、未来の安心に変えていくために。

詳細は、こちらからLINEに登録してご確認いただけます。(https://lin.ee/epkszZb

会話は勝ち負けではなく、未来の共有。その小さな一歩が、二歩目を軽くします。